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コラム
遺品整理で出る産業廃棄物と一般廃棄物との違いと処理方法、家庭で捨ててはいけないごみの徹底解説

遺品整理で「これって捨ててもいいの?」と悩んだ経験はありませんか。

 

故人が大切にしていた物の処分には、想像以上の心理的負担が伴います。特に、遺品の中には「産業廃棄物」として分類される可能性のあるものも含まれており、適切な処理を誤ると廃棄物処理法違反や無許可業者との契約といった深刻なトラブルにつながりかねません。

 

環境省の公表によれば、近年、家庭から出た廃棄物を産業廃棄物と偽って収集する「無許可の不用品回収業者」との契約による不法投棄被害が増加傾向にあり、自治体への相談件数も年間一万件以上に達しています。

 

この記事では、遺品整理における「産業廃棄物と一般廃棄物の違い」「許可を持つ信頼できる遺品整理士の選び方」「家庭内で出るごみの正しい分類方法」など、専門家の視点で徹底解説します。

 

不適切な処分をしてしまう前に、正しい知識を身につけ、ご遺族の想いと法的リスクの両方を守りましょう。本文を読み進めることで、後悔しない遺品整理の方法が明確になります。

 

故人の思い出を大切にする遺品整理サービス - アスエル

アスエルは、遺品整理を中心に、生前整理特殊清掃不用品回収まで幅広く対応する専門業者です。遺品整理士の資格を持つスタッフが、故人の思い出を大切にしながら、丁寧かつ迅速に整理を進めます。不用品の処分ではリサイクルにも力を入れ、環境に配慮した対応を心がけています。お客様のご要望や意向をしっかりと伺い、最適な方法をご提案いたします。安心してお任せいただけるサービスをぜひご利用ください。

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遺品整理で出るゴミは産業廃棄物か?一般廃棄物との違いと分類基準

遺品整理で扱うゴミの種類とは?家庭系一般廃棄物との違い

遺品整理で発生するゴミにはさまざまな種類があります。衣類や家具、家電製品、書籍、仏具、日用品など多岐にわたり、それぞれに適切な分類と処理方法が必要です。原則として、一般家庭から出る不要物は「家庭系一般廃棄物」として扱われ、自治体の収集対象になります。しかし、遺品整理の場合は通常のゴミと異なり、「排出経緯」や「回収者の資格」によっては、扱いが大きく変わる点に注意が必要です。

 

まず、家庭から排出されたものであっても、遺品整理業者が介入して一括して収集・運搬・処理を行うと、その処分物は「事業活動に伴って生じた廃棄物」と解釈され、「産業廃棄物」または「事業系一般廃棄物」に該当する可能性があります。この判断のカギを握るのが「排出主体」と「運搬許可の有無」です。

 

また、廃棄物処理法では、廃棄物を「一般廃棄物」と「産業廃棄物」に分け、それぞれに異なる処理基準と許可要件を設けています。以下の表に、遺品整理で多く発生する品目の分類をまとめました。

 

遺品整理における主なゴミ分類例

 

品目分類 一般廃棄物の扱い 産業廃棄物の扱い 備考
衣類・布類 一般家庭なら一般廃棄物 業者が処理すれば産業廃棄物 大量・業務処理時は産廃に該当する可能性あり
家電製品 自治体収集対象外(家電リサイクル対象) 不適切処理で産業廃棄物とみなされる リサイクル券・指定引取場所利用が基本
本・雑誌類 可燃ごみとして扱われる 分量や取り扱いで産廃扱いになる 事業用書類等は注意
食器・鍋類 粗大ごみ・陶器ごみ扱い 事業系厨房からのものは産業廃棄物 割れ物・危険物には別途注意が必要
故人の仕事道具 通常産業廃棄物とされる 原則産廃(工具・機械・業務物品) 古物商による買取・再利用も選択肢

 

このように、同じ「遺品」であっても処理主体や量、性質により扱いが異なり、誤った処分をすると法令違反となるリスクもあります。特に業者に委託する場合は、一般廃棄物収集運搬許可の有無を確認することが必須です。

 

遺品整理を業者に依頼する際は、家庭から出るゴミだからといってすべてが一般廃棄物扱いになるとは限らないこと、そして許可の有無で法的責任が発生することを理解することが重要です。処分物の適正な分類は、信頼できる業者選びの第一歩です。

 

遺品整理事業扱いが産業廃棄物となる条件とは

遺品整理を事業として請け負う業者がゴミを回収・運搬する場合、その廃棄物は「産業廃棄物」または「事業系一般廃棄物」として分類されるケースが増えています。これは、廃棄物処理法に基づき、「事業活動に伴って生じた廃棄物」が産業廃棄物とされるためで、遺品整理業務も広義の事業活動に該当するからです。

 

特に重要なのが、「許可の有無」です。遺品整理業者が回収作業を行う際に必要なのが「一般廃棄物収集運搬許可」であり、この許可がなければ、原則として家庭から出たゴミを回収することはできません。この許可を取得せずに回収行為を行うと、廃棄物処理法違反(無許可営業)に該当し、行政処分や刑事罰の対象となる可能性があります。

 

以下に、遺品整理を「事業」として行った際に、産業廃棄物扱いになる典型的な条件を整理しました。

 

遺品整理が産業廃棄物に該当する主な条件

 

判定条件 内容
排出主体 家庭ではなく「事業者業者・法人)」が排出者となる場合
処理責任者 処理行為を業者が行い、一般廃棄物許可がない場合
廃棄物の性質 事業活動に関係する資材、工具、機械などが含まれる場合
作業スケール 大量廃棄・一括搬出など、一般廃棄物収集対象を超える規模の場合
無許可業者の介在 許可証がない業者による回収は産業廃棄物扱い、または違法行為

 

こうした基準は「全国産業資源循環連合会」や各自治体の廃棄物条例によっても明文化されており、2025年時点でも引き続き厳格に運用されています。

 

さらに注意すべきは、「業者が無許可で一般家庭のゴミを収集していた場合」です。この場合、たとえ排出元が家庭であっても、業者が排出責任を負う形となり、「収集運搬許可のない産業廃棄物回収」として処理される恐れがあります。信頼できる業者かどうかを見極める際は、許可証の有無・番号・自治体への登録状況を必ず確認しましょう。

 

2025年現在、環境省も不法投棄・無許可処分のリスクに対して警鐘を鳴らしており、遺品整理業界の健全化が求められています。適切な資格と許可を有する事業者へ依頼することで、法的リスクを未然に防ぎましょう。

 

家庭から出る遺品でも事業系に該当するケースとは

遺品整理で発生する廃棄物のすべてが、必ずしも「家庭ゴミ(一般廃棄物)」として処理できるとは限りません。とくに注意が必要なのが、「家庭から出た物であっても事業系に該当するケース」です。

 

このようなケースは、以下のような状況に該当します。

 

家庭から出た遺品でも事業系とされる事例

 

ケース分類 概要
故人が個人事業主 事務所機材・業務用PC・製造機器などが含まれている場合
法人登記物件の整理 物件契約者が法人である場合、その整理に関わる廃棄物は事業系扱いとなる
テナント型住居 事業併用住宅(例:1階店舗+2階住居など)の場合
リフォーム業者等が関与 作業請負で発生した廃棄物は基本的に産業廃棄物に分類される
処理業者が企業名義 排出業者=遺族ではなく整理請負業者となる場合

 

このような場合、たとえ実際に廃棄される物が家庭由来のものであっても、「排出主体が事業者」と判断されるため、処理ルールが大きく変わります。

 

また、事業活動に使用された可能性のある品目(工具、業務機器、在庫商品など)は、「家庭系」として扱われず、明確に「産業廃棄物」として処理される対象となります。これに該当する物を誤って家庭ゴミとして処理しようとすると、不適正処分とされ、回収を拒否されたり、違法行為として問題になる可能性があります。

 

とくに近年、フリーランスや在宅ワーカーとして働く高齢者の増加に伴い、住居と仕事場が一体化しているケースが増えています。このような背景から、自治体も廃棄物の分類や排出主体の確認に対して、より厳密な対応を求めています。

 

正しく処理するためには、処分品が「誰のものか」「何に使われていたのか」「どの契約主体で存在していたのか」という視点からの確認が欠かせません。遺品整理業者への依頼時には、これらの情報を正確に伝え、適法に処理できる業者であるかを必ず確認するようにしましょう。信頼できる許可業者であれば、分類に迷う品も正しく判断し、安心して任せることができます。

 

廃棄物処理法に基づく正しい処分方法と違法処理のリスク

廃棄物処理法の基本構造

廃棄物処理法(正式名称:廃棄物の処理及び清掃に関する法律)は、国内の廃棄物を適正に分別・収集・処分することを目的とし、違法投棄や環境汚染を未然に防ぐために制定された法律です。遺品整理の現場では、この法律を正しく理解しないまま処理を進めると法令違反につながるリスクがあり、特に「廃棄物の分類」に対する正確な理解が重要になります。

 

まずは、廃棄物の基本構造を以下のように3つに分類できます。

 

区分 定義 管理責任者
一般廃棄物 主に家庭や事業所から排出される通常のごみ 生ごみ、紙くず、布類など 自治体または自治体許可業者
産業廃棄物 法で指定された事業活動から生じる廃棄物 建設廃材、廃プラスチック、金属くずなど 業者(排出者)と委託先
有価物 再利用・売却可能で経済的価値のあるもの 中古家具、貴金属、骨董品など 古物商などの許可業者

 

「有価物」とは経済的価値を持つ物品であり、廃棄物とは法的に区別されます。遺品の中にはリユース可能な物品も多く含まれるため、古物営業法やリサイクル関連法との整合性も意識しなければなりません。

 

遺品整理における誤解のひとつが、「家庭から出るごみ=すべて一般廃棄物」とする認識です。実際には、整理の実態や排出者の属性、業者の関与方法などによって「事業系一般廃棄物」や「産業廃棄物」に分類されることがあります。特に遺品整理業者が介在して家庭の大量ごみを一括で収集するケースでは、処理フローを誤ると違法行為になる危険性があるため、自治体との連携と許可の確認が不可欠です。

 

また、廃棄物処理法では「自己処理原則」が基本であり、排出者は自らの責任で廃棄物の処分を行う必要があります。家庭ごみであっても第三者に処分を委託する場合には、適切な許可を持つ業者への依頼が求められます。無許可業者による収集・運搬は違法行為とみなされ、依頼者にも責任が及ぶ可能性があります。

 

このように、産廃・一般廃棄物・有価物の明確な区別と、それぞれに対応した処理体制の構築が、遺品整理を行う上での大前提です。

 

違法業者・無許可回収によるトラブル事例と罰則

遺品整理を依頼する際に最も注意すべきリスクのひとつが、廃棄物処理法に違反する業者への依頼です。特に、無許可で廃棄物を収集・運搬する「違法業者」によるトラブルは、消費者庁や環境省の統計でも近年増加傾向にあり、罰則も強化されています。

 

代表的なトラブル事例には以下のようなものがあります。

 

トラブル内容 発生状況 結果・影響
遺品を不法投棄された 無許可の回収業者に依頼 依頼者も不法投棄幇助とされる可能性
高額請求・追加料金 作業後に高額な追加費用を請求 消費者センターへの相談急増
契約書未交付 書面契約がなかったためトラブル時に証明困難 消費者契約法違反の可能性
廃棄物の持ち去り転売 貴重品を勝手に売却される 古物営業法違反・個人情報漏洩

 

回避するには、以下の確認が重要です。

 

  1. 一般廃棄物収集運搬許可証の提示を求める
  2. 産業廃棄物の場合は委託契約書とマニフェスト管理の確認
  3. 契約内容・料金体系の明記された書面を受け取る
  4. 契約前に自治体窓口で業者の登録状況を確認する

 

特に「無料回収」「即日対応」といった甘い文言には注意が必要です。法的責任は最終的に依頼者にも及ぶため、信頼性と許可の有無を冷静に見極めましょう。

 

環境省や自治体が注意喚起する事例とその引用

近年、環境省や全国の自治体は、遺品整理や不用品回収における無許可業者の急増を受けて、市民向けの注意喚起を積極的に行っています。これらの情報は、行政の公式発表として信頼性が高く、トラブル回避に向けた重要な手がかりとなります。

 

このような事例に共通するのは「見た目の便利さ」と「格安」をうたう業者に潜む法的リスクです。特に高齢者世帯や遺族が慌ただしく依頼を決める場面では、十分な確認を怠ってしまいがちです。

 

市民向けのチェックリストや注意喚起チラシは、各自治体の公式サイトからPDF形式でダウンロードでき、事前の備えとして役立ちます。依頼前には必ず業者名や連絡先、許可証の確認を行い、不明点は市区町村の環境課や消費生活センターへ相談することが推奨されます。

 

このように、公的機関からの信頼ある発信を日常的にチェックし、判断材料とすることが、違法業者による被害を防ぐ最も有効な方法のひとつです。

 

遺品整理業者が持つべき許可・資格と確認ポイント

一般廃棄物収集運搬許可とは?必要な条件と取得方法

遺品整理業者が「ゴミを運ぶ」業務を行うには、法律で定められた特定の許可が必要です。中でも「一般廃棄物収集運搬許可」は最も誤解されやすく、かつ重要な許認可の一つです。これは家庭から排出されるゴミ(=一般廃棄物)を合法的に運搬・処理するためのもので、遺品整理においては必須のケースが多くなります。

 

この許可を取得するには、まず自治体からの認定が必要です。つまり、全国共通の国家資格ではなく、各市区町村ごとに発行されている「地域限定」の許可です。したがって、例えば東京都の許可を持っていても、大阪での業務は基本的にできません。これは収集運搬が地域密着型の業務であることと、排出者責任の原則により廃棄物の追跡管理が厳格に求められているためです。

 

許可取得の一般的な条件は以下の通りです。

 

項目 内容
許可主体 市町村(自治体ごとに異なる)
対象物 家庭系の一般廃棄物(生ごみ、家具、衣類など)
許可の条件 収集運搬の実績、適切な車両・設備、事業計画書など
許可の有効期間 5年間(自治体により異なる)
許可証の掲示義務 営業車両・事務所への表示が必要
講習等の有無 一部自治体では事前講習や説明会出席が必要

 

疑問として多いのは「そもそも遺品整理で一般廃棄物収集運搬許可が必要なのか?」という点です。結論から言えば、遺品整理業者が発生する不用品を「自らのトラックで回収して処理場に持ち込む」場合は、この許可が必須です。逆に、依頼者が自ら自治体に回収を依頼したり、業者が分別・整理のみを行って処分を伴わないケースであれば、許可は不要です。

 

もう一つのポイントは「許可不要と主張する悪質業者」の存在です。彼らは「自社運搬なので問題ない」「不用品ではなく買い取り品として扱う」など、法の抜け道を装って営業する場合がありますが、廃棄物処理法に明らかに抵触する可能性があるため注意が必要です。

 

また、一般廃棄物と産業廃棄物の線引きも重要です。家庭から出た遺品は通常「一般廃棄物」に該当しますが、事業用で使用されていた什器やOA機器、法人名義の物品については「産業廃棄物」とみなされるケースもあります。

 

遺品整理業者を選ぶ際、以下のような点を確認することで、安心して依頼できます。

 

  • 業者が対象地域で「一般廃棄物収集運搬許可」を保有しているか
  • 許可証のコピーを提示してもらえるか
  • 処分先の処理場名や委託先を明確にしているか
  • 回収物の内訳やルートが説明可能か

 

法令遵守の姿勢が明確であるかどうかは、トラブルを防ぐ上で最重要なポイントです。

 

遺品整理士・古物商許可・産業廃棄物運搬許可との違い

遺品整理業者には、いくつかの異なる資格や許可が必要とされますが、これらはそれぞれ用途や業務範囲が異なり、混同すると重大な法的リスクを伴います。ここでは「遺品整理士」「古物商許可」「産業廃棄物運搬許可」の違いを明確に解説します。

 

まず「遺品整理士」は、一般社団法人遺品整理士認定協会が認定する民間資格であり、法的な許可ではありません。主に遺族への配慮、仏事や供養に関する知識、分別作業に関するノウハウを備えていることの証明で、信頼性を担保する目安にはなりますが、収集運搬や処分の権限を与えるものではありません。

 

次に「古物商許可」は、警察署の管理下で発行される許可で、中古品の売買を行う際に必要です。遺品整理では、家具や電化製品、衣類などを再販売目的で引き取る際に必要になるケースがあります。ただし、古物商許可があるからといって、すべての不用品を合法的に処分できるわけではなく、ゴミ処理の権限は別途必要です。

 

最後に「産業廃棄物収集運搬許可」は、法人や事業者から排出される廃棄物(OA機器、事務机など)を回収するために必要な許可で、都道府県単位で発行されます。遺品整理においても、法人契約や事業活動に使用された遺品が含まれていれば、この許可が求められる場面があります。

 

以下に、それぞれの許可と資格の違いを一覧で整理します。

 

種別 主な用途 許可主体 法的拘束力 対象物の種類
一般廃棄物収集運搬許可 家庭ごみの運搬 各自治体 あり 一般家庭のごみ
産業廃棄物収集運搬許可 企業・事業所の廃棄物 都道府県 あり OA機器、什器など
古物商許可 中古品の売買 各都道府県警察 あり 家電・家具・衣類等
遺品整理士 整理の専門知識 民間団体 なし(民間資格) 行政対象外の研修内容

 

混同を避けるためには、業者の業務内容に応じた許可が揃っているかを確認することが重要です。特に「すべての許可が揃っていないのに、一括して遺品整理を請け負う業者」は要注意です。

 

実際の遺品整理で出る産業廃棄物の例とその処理フロー

ベッド、家具、冷蔵庫などの大型品はどう分類される?

遺品整理の現場で頻繁に出る大型品の処理には、家庭ごみや一般廃棄物とは異なる明確な分類基準が存在します。特にベッド、ソファ、冷蔵庫、洗濯機などの大型家電や家具は、法的に異なる処理ルートが設けられているため、依頼者側がその分類と廃棄方法を理解しておくことが重要です。

 

まず、家電リサイクル法の対象となる品目は、以下の4品目です。

 

品目 分類区分 処理方法 回収責任
冷蔵庫 家電リサイクル法対象 指定引取場所へ運搬、再資源化 家電販売店または許可業者
洗濯機 家電リサイクル法対象 同上 同上
テレビ 家電リサイクル法対象 同上 同上
エアコン 家電リサイクル法対象 同上 同上

 

これらは産業廃棄物ではなく、法律に則った再資源化ルートで処理されます。一方、タンスやベッド、ソファ、食器棚といった家具類は「粗大ごみ」として一般廃棄物に分類されることが多いですが、事業者が業務として収集・運搬する場合は「事業系一般廃棄物」や「産業廃棄物」に該当するケースもあります。

 

特に注意が必要なのは、法人契約で遺品整理を依頼した場合や、不動産会社やリフォーム業者を経由して排出された遺品類です。この場合、家具や家電も事業活動に由来するものと判断され、産業廃棄物扱いとなることがあります。

 

処理フローの概要は以下の通りです。

 

  1. 分別作業(家電リサイクル法対象品、粗大ごみ、リユース品、有価物、危険物など)
  2. 市町村への処分申請(粗大ごみとして処分)
  3. 許可業者による収集運搬
  4. 最終処分場での中間処理または埋立・焼却処理

 

この流れの中で許可を持たない業者による収集は「無許可営業」に該当し、廃棄物処理法違反で罰則対象になります。依頼者側も、処理責任を問われる可能性があるため注意が必要です。

 

特殊清掃が関わるケースと産業廃棄物処理との関係性

遺品整理と特殊清掃は密接に関連しており、孤独死や事件現場などの特殊な状況下では、通常の片付け作業に加えて「感染性廃棄物」や「特定産業廃棄物」の処理が必要になる場合があります。

 

特殊清掃とは、血液・体液・汚物・腐敗臭などが残された環境を適切に清掃・除菌・消臭する作業を指します。この過程で発生する廃棄物の一部は、厳格に分類されます。

 

さらに、清掃後の環境復旧(リフォーム、消臭、リペアなど)もセットで行うことが多く、その作業過程で出た建材や資材が産業廃棄物に該当することもあります。例えば、クロスや床材の張替えで排出される廃材、石膏ボード、断熱材などがこれにあたります。

 

これらを含め、特殊清掃と遺品整理の業務を明確に分離し、かつそれぞれに必要な許可を保有する専門業者に依頼することが、法令順守と安全な処理の両面で最も信頼性の高い選択肢といえるでしょう。

 

捨ててはいけないものは?遺品整理の心構えとマナー

故人の想いが宿る遺品とその判断基準

遺品整理において、物理的な処分作業の前にまず大切なのが「何を処分し、何を残すか」という心の判断です。多くの人が遺品整理で悩むのは、故人の想いが込められた品々をどう扱うべきかという点です。単なる不用品回収では済まされない「遺品」には、思い出や歴史、愛情が宿っているからこそ、処分・供養の分岐点には明確な基準と心構えが求められます。

 

判断を迷いやすい遺品の代表例として以下のようなものがあります:

 

遺品の種類 残す判断基準 処分・供養の推奨方法
写真・手紙 故人の人となりが深く関わる/家族の記録 アルバム保管/供養・お焚き上げ
衣類・日用品 使用頻度が高く思い入れが深い場合が多い 一部保管/清潔にして寄付・処分
家具・寝具 家族が使っていた/使い心地の良い品 再利用も視野/傷み具合で判断
手作りの品・贈答品 故人の趣味・人生観を象徴する物 家族で共有/思い出とともに供養
位牌・仏壇関連 宗教的意味があり供養が必要 専門寺院・仏具店での供養

 

これらの遺品を前にすると、以下のような疑問を多くの方が抱きます。

 

  • 故人が大切にしていたが、今後使わない物はどう扱えばいいのか?
  • 写真や手紙など「紙の思い出」は捨てるべきか、残すべきか?
  • 一部の品だけ供養し、他は処分することに罪悪感を感じるが問題ないか?
  • 保管場所がないため処分したいが、後悔しない方法はあるか?

 

こうした疑問への答えは、物の「機能的価値」だけではなく「感情的価値」に目を向けることです。たとえば衣類は素材的には廃棄物でも、故人が愛用していたならば、供養や思い出の共有を通じて整理することが推奨されます。

 

また、複数の家族で遺品整理を行う場合、感情や思い出の違いにより判断が分かれやすいため、「遺品リスト」や「形見分けチェック表」を事前に作成し、誰が何を大切に感じているかを見える化すると、トラブルを避けやすくなります。

 

宗教・文化的観点からの配慮が必要な遺品とは

遺品整理において特に慎重な取り扱いが求められるのが、宗教的または文化的意味を持つ品々です。日本の家庭では特に仏壇・位牌・神棚・お守り・遺影・念珠などがそれに該当します。これらは単なる物理的な「物」ではなく、故人の魂が宿ると考えられる精神的シンボルであるため、不適切な処分は心理的な負担だけでなく、宗教的な礼儀違反になる恐れもあります。

 

宗教・文化的配慮が必要な遺品と推奨される対応を以下にまとめます。

 

品目 宗教的意味合い 推奨される処分/供養の方法
仏壇 家の守り・故人の魂の居場所 仏具店や寺院での「お性根抜き」供養
位牌 故人の魂が宿るとされる象徴 僧侶による読経と供養後にお焚き上げ
遺影 故人との記憶の象徴 家族で保管/供養をしての廃棄も可能
神棚 神様を祀る場所 神社での「お焚き上げ」などを依頼
お守り・お札 神仏からの加護を意味する 授与元神社・寺院へ返納が基本

 

多くの家庭では、「もう使わないから」と自己判断で仏壇や神棚を廃棄してしまうケースがありますが、これは「穢れ」と捉えられる可能性があり、心のトラブルや後悔を招くことがあります。

 

さらに近年では、合同供養サービスやオンライン供養といった新しい手段も登場しています。これにより、物理的な距離や時間の制約があっても、供養の気持ちを形にすることができるため、ライフスタイルに合わせた対応も可能です。

 

まとめ

遺品整理に伴って発生するごみの処理には、一般廃棄物と産業廃棄物という法的な分類が深く関わっています。特に家庭から出る遺品であっても、業者が業務として回収する場合には産業廃棄物として扱われるケースがあり、無許可業者への依頼は廃棄物処理法違反に繋がる可能性があります。

 

家庭から出される不用品の違法回収に関する相談の背景には「許可のない業者に依頼した」「処理ルールを知らなかった」などの情報不足が見受けられます。遺品整理を適正に行うためには、廃棄物処理法の基本や「一般廃棄物収集運搬許可」などの専門許可を持つ事業者の選定が欠かせません。

 

また、仏壇や位牌、写真など供養が必要な遺品や、有価物に分類される宝石類などは単なる「不用品」とは異なり、心理的な整理や文化的な配慮が必要です。判断に迷う場合は遺品整理士の資格を持つ専門家に相談することで、ご遺族の気持ちに寄り添った適切な対応が可能になります。

 

遺品整理は、ただの片付けではありません。故人の想いや家族の心に寄り添いながら、法的・倫理的に正しい方法で整理することが、後悔のない最良の選択です。大切な遺品を安心して手放すためにも、情報を正しく理解し、信頼できる業者へ依頼することを心がけましょう。

 

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よくある質問

Q. 遺品整理で出た家庭ごみが産業廃棄物と判断されるのはどんなケースですか?
A. 家庭から排出された遺品であっても、遺品整理業者が有償で収集・運搬する場合や、法人名義の住宅や事業所からの排出物である場合は、廃棄物処理法における「産業廃棄物」や「事業系一般廃棄物」に分類される可能性があります。特に2025年現在、自治体や環境省も業務としての収集行為には明確な「収集運搬許可」が必要と強調しており、無許可業者による回収は不法投棄のリスクを伴うため注意が必要です。

 

Q. 一般廃棄物収集運搬許可と産業廃棄物収集運搬許可、どちらの許可が必要ですか?
A. 遺品整理で発生する廃棄物の処理には、主に「一般廃棄物収集運搬許可」が必要です。ただし、事業活動に伴って排出されたとみなされる遺品、例えば法人契約物件や倉庫などからの回収物は「産業廃棄物収集運搬許可」が求められます。許可の有無は許可証で確認でき、対応エリアも限られているため、事前に自治体サイトで許可業者リストを確認することが重要です。

 

Q. 遺品整理業者の料金相場はどれくらい?追加費用が発生しやすい条件とは?
A. 一般的な遺品整理の料金は1LDKでおよそ8万円〜15万円が相場とされています。産業廃棄物を含む場合は処理費用が上乗せされるため、1立米あたり約1万2000円程度の産廃処分費が別途発生することがあります。また、特殊清掃や供養対応、有価物の買取査定などのオプションサービスを利用する場合には、追加料金がかかるケースもあるため、見積時に詳細を確認しましょう。

 

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